心理学本の“NO”と言わせないテクニックは時代遅れの昭和テクである

断りやすい誘い”のほうが人に好まれる

ダブルバインド理論の要諦は、イエスかノーかの二択を迫るのではなく、“イエス”を前提にして別の二択を聞くことで論点をずらし、自分の持っていきたい結論に相手を誘導すること。

これは、クライアントからも、女性からもあまりよい印象を持たれません。

たとえば、知り合って間もない女性に「よかったら今度ごはんいきましょう。寿司がいいですか? 肉がいいですか?」とダブルバインドを駆使して質問したとしましょう。

 

この質問、寿司と肉が好きな人ならまだ効くのかもしれません。しかし、相手が海鮮物が苦手だったらどうでしょうか。あるいは、実家の介護をしていて夕食よりはランチのほうが足を運びやすいということも考えられます。

 

つまり、まだ相手との距離が遠く、親近感が生まれていない状態で使うダブルバインドは逆効果なのです。

そもそも、いまこの記事を読んでいるあなたが一度でもダブルバインド理論の話を耳にしたことがあるとすれば、なおさら使ってはいけません。

この手の心理テクニックは、10年以上前から続く心理学ブームの影響であまりにも流通しすぎてしまったのです。ドヤ顔で“心理テク”を使っても、相手にそのワザを使っていることを見抜かれていたら、これほど“イタい”ことはありません。

では、親近感を持たれていない相手にダブルバインド理論を使えないとすれば、どうすればよいのでしょうか。

私が営業マン時代に実践していたのは、これとはまったく別のアプローチです。  すなわち、「断りやすく誘う」。

例えば、自社で顧客向けに東京ビッグサイトでイベントを催すとします。

その場合、「再来週に東京ビッグサイトでイベントがあります。ぜひおこしください。13日か14日でどちらがご都合がよろしいでしょうか?」なんて聞いてはいけません。 「もしご興味を持ちましたら、再来週のイベントにぜひお越し下さい」。これでいいのです。断りやすい誘いをする人とは、長く付き合う気になりますが、毎回断りにくい誘いをする人とはあまり関係を持ちたくないものです。  そこで、私が営業マン時代に多用した「絶対に相手が断れる誘い方」をお教えしましょう。 「お忙しかったら別の機会でいいですよ」 「ご無理なさらず」 「いつでも大丈夫です。ちなみに、私は◯月◯日が空いております」

このように、こちらがガツガツしていないイメージを相手に持たせることで、クライアントは営業マンと付き合い続けてくれます。そして、このようにガツガツしてないイメージを持たれるためには、自分の見込み客を多くすることが重要です。

 

一社に拘泥して、とにかく「買って下さい! 会って下さい!」と懇願しては絶対に嫌われます。小手先のダブルバインド理論も相手にはバレバレ。これもNGです。

現在、営業成績が振るわない方は、自分の見込み客を増やし、一社に対しての思い入れを強くしすぎないように気をつけてください。

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